【事実婚】のメリットとは?一般的な結婚との違い&向いているカップルはこんな人!
最近新しい夫婦のカタチとして注目されている事実婚。事実婚はメリットも多いですが一般的な結婚と比べてデメリットも多いんです。この記事では、事実婚を考えているカップルに伝えたい事実婚のメリット&デメリットや事実婚に向いているカップルについてなど、事実婚のあれこれを詳しく解説していきます!
新生活2020.4.22 更新2020.4.22 公開
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目次
『事実婚』と『一般的な結婚』はどう違うの?
『事実婚』が『一般的な結婚』とどう違うのか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?
普通の結婚も事実婚も、結ばれる二人の関係が「夫婦」であることには変わりありません。
では一体何が違うのか、詳しく見ていきましょう*
一般的な結婚『届出婚(法律婚)』
日本で法律上正式な夫婦になるためには、「婚姻届」を市町村役場に提出することが必須です。
これを『届出婚』といい、一般的に最もスタンダードな結婚のスタイルとなります。
『事実婚(内縁)』
事実婚は簡単に言えば、「役所に婚姻届を提出していない夫婦」のこと。
婚姻届を提出しないという事は、夫婦の新たな戸籍が作成されないという事なので、夫婦はそれぞれ結婚前の姓を別々に名乗ることができます。
同じ戸籍に入っていなくても、基本的には届出婚の夫婦と同じ権利や義務が生じ、結婚式を挙げたり、お互いを妻・夫と周りに紹介するところも同じです。
法律では、
・特別な事情がない限り同居すること
・お互いに助け合って生活すること
・婚姻費用(生活費や子供の養育費)を分担すること
などが義務付けられており、これも一般的な届出婚と変わりません。
『同棲』との違いは?
婚姻届を出さないのが事実婚なら、つまり同棲と同じってこと?って思いますよね。
確かに周りから見る限りでは、同棲と事実婚は同じに見えます。
しかし、同棲と事実婚にはちゃんとした違いがあるんです。
・本人同士で夫婦としての認識があるか
・周りが社会的に夫婦として扱っているか
が同棲と事実婚の違いであり、本人たちが「自分たちは恋人ではなく夫婦だ」と感じ、周りもそう思っている事こそが、単なるで同棲ではなく事実婚であると考えることができます。
また、「婚姻届は提出したくないけど、自治体からはきちんと家族として扱ってほしい」という場合は、2人の住民票を同じにするという方法があります。
夫婦のどちらかを住民票の「世帯主」とし、もう一方の続柄を「妻(未届)」「夫(未届)」と記載している事実婚カップルが多く、このようにしておけばただの同棲カップルとの違いを明確にすることができます。
ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でも、このように住民票を役所に提出しているシーンがありましたね*
事実婚のメリットとは?
では、事実婚のメリットについて詳しく見ていきましょう*
①実家の戸籍から外れずに済む
届出婚では、「女性が相手の家に嫁ぐ」というのが一般的で、女性側が実家の戸籍から外れることが多いです。
ですが、事実婚は「入籍をしない」ので、お互いに実家の戸籍から外れずに済みます。
夫婦は男女ともに対等であるべき、という考えを実現できるというわけですね*
②夫婦別性でいられる
婚姻届を提出しない事実婚は、夫婦別性でい続けることができます。
これによって、「どちらかの姓に変更しなければいけない」という精神的ストレスからも解放されますし、姓を変更することで必要な、大量の事務的な手続きもしなくて済みます。
・クレジットカード
・パスポート
・免許証
・健康保険
・年金
・保険の受取人や契約者
・携帯電話
・資格
・通販サイトの名義
③義理の両親と姻族関係にならない
届出婚では、入籍すると相手の両親や兄弟と法律上兄弟関係になりますが、事実婚ではこれを避けることができます。
「相手のことは大好きだけど、家族とは一線を引いておきたい」「相手の家族と折り合いが悪く、あまり関わりたくない」という場合はメリットとなりますね。
④精神的に自由でいられる
ここまで説明した通り、事実婚は戸籍を移さなくてよかったり、姓を変えなくてよかったりと縛りが少なく、自分が思う生き方ができたり夫婦関係が平等でいられたりするので、届出婚と比べても精神的な面でも自由でいられます。
事実婚のデメリットは?
では次に、事実婚のデメリットについて見ていきましょう。
法定相続人になれない
届出婚だと配偶者は自動的にお互いの法定相続人となります。
しかし、事実婚は法律上の夫婦関係がないため、法定相続人になることができません。
つまり、夫または妻が亡くなってもその遺産を相続することができないんです。
子供が生まれても自動的に父親にならない
事実婚夫婦の間に生まれた子供は自動的に母親の戸籍に入ります。
なので、母親の姓を名乗ることになります。
そのまま何も手続きを行わなければ父親との関係は非摘出子となり、『認知』という手続きを行わなければ法的な父子関係にはなれません。
しかし、認知を行ってもその段階では親権は母親にあり、家庭裁判所に請求することで親権を父親に変更することはできますが、いずれにしても夫婦共同で子供の親権者になることができないんです。
所得税において配偶者税額軽減がない
届出婚の場合、扶養に入っている配偶者がいる場合は所得税の配偶者控除を受けることができ、支払う税金を少なくすることができます。
しかし事実婚ではこの配偶者控除を利用することができないので、税制面で損をすることになってしまいます。
相続税において配偶者税額軽減がない
先程、事実婚では法定相続人にはなれないと説明をしましたが、実はあらかじめ遺言書を作成しておくなどの対処法でカバーしておくことが可能です。
しかし、これらの方法で財産を相続することができても、届出婚の場合は利用できる相続税の配偶者税額軽減が事実婚には適応されないため、負担する税額がグッと増えてしまいます。
事実婚は税金の支払いに関しては、届出婚に比べてだいぶ不利になってしまうんです。
保険の受取人や住宅ローンが組みにくい
事実婚は結婚している事実が把握しずらいこともあって、生命保険の受取人として断られたり、住宅ローンを組む際にスムーズにいきにくいことも。
対策としては事実婚に関する「公的証書」を作るという方法があります。
公的証書があれば、代理手続きをする際にスムーズに夫婦を証明することができることもあるので、必要なカップルは作っておくと良いかもしれません。
事実婚が向いているのはこんなカップル!
では、事実婚に向いているのはどんなカップルなのか見ていきましょう♩
2人とも経済力がある
「配偶者控除」や「扶養控除」など税制面の恩恵が受けられない事実婚は、夫婦二人に経済力があり税金面で損をしにくいカップルが理想ですね。
子供を作る予定がない
先程説明した通り、事実婚は子供が生まれると母親の戸籍に入ります。
父親が「認知」したとしても、親権はどちらか一方しか与えられません。
このように事実婚カップルが子供を持つとややこしいことが増えますし、子供が成長してどう思うかという問題も出てきます。
事実婚は今後子供を作る予定のないカップルに向いています。
個人の生き方を尊重したい
事実婚はメリットよりもデメリットの方が多く、自由な生き方を選んだ分伴う苦労も多いですが、
「入籍したくない確固たる理由」がある場合は、結婚しても自分の意志や生き方を貫いて自由に生きていける事実婚が向いています。
上手に事実婚をするためのポイント*
事実婚を選ぶにあたって、おさえておきたいポイントをご紹介します。
事実婚をしようと思っているカップルは参考にしてみてくださいね*
①相続関係に似た関係を作る
先程も説明しましたが、事実婚は妻・夫の法定相続人になれないのが大きなデメリット。
遺産をパートナーに譲るためには、以下の対策を行う必要があります。
《生命保険》
死亡時の保険金は内縁の妻・夫を受取人に指定することができます。
ただし、保険会社によって条件が異なる場合もあるので、詳細は確認しておきましょう!
《遺言を作成する》
事実婚カップルがパートナーに財産を残す方法として、遺言書を作成しておくことも有効です。
遺言書は定められた形式に沿って作成する必要があるので、作成時は弁護士などに相談しするようにしましょう。
《生前贈与》
生前贈与とは、相手がまだ生きているうちに財産を相手に贈ること。
年間110万円までなら贈与税もかからず、もちろん相続税もかからないので計画的に贈与を行っていくことが大切です。
②父親に子供の扶養義務を作る
事実婚の夫婦の間に生まれた子供は、母親としか法的な親子関係はなく、父親と法的な親子関係になるためには認知が必要です。
子供を認知することで、父親にも扶養義務が発生し、夫婦で協力して子供を育てていくことができます。
③住民票で世帯を一緒にする
婚姻届を提出しない事実婚ですが、住民票で2人同一世帯にすることで、事実上の家族になることができます。
その場合、続柄は「夫(世帯主)」「妻(未届)」または「妻(世帯主)」「夫(未届)」とするのが基本です。
④夫の会社の家族制度を確認する
事実婚を届出婚の夫婦と同じように扱うかは、会社の方針によって変わります。
中には事実婚だと家族手当の対象にならなかったり、社宅に入れなかったりするので、事前に確認しておきましょう!
⑤事実婚契約書を公正証書に
事実婚をするにあたって夫婦で話し合った内容は、事実婚契約書として「公正証書」にしておくことがおすすめ!
公正証書とは、公証役場で作成される法的な信頼の高い書類のことで、作成しておくことで家族として手術など医療上の判断を行う際や、住宅ローンを組む際にもスムーズに手続きが進めやすくなります。
作成には専門家へ依頼が必要ですが、事実婚のデメリットを少なくすることができるので、作成しておくと安心です*
⑥パートナーシップ制度を活用する
いくつかの自治体ではLGBTなどセクシャルマイノリティのカップルも含めて、事実婚カップルを対象としたパートナーシップ制度が導入されています。
この制度でパートナーシップを宣誓したカップルは、宣誓書や確認書、公正証書などの受領書が交付されるので是非利用しましょう!
事実婚のメリット・デメリットをしっかり理解して検討しよう!
事実婚は夫婦になっても別性でいられたり、氏名変更の手続きがいらなかったりと、届出婚で体験する様々なストレスを受けずに済むメリットがあります。
一方で税制面で恩恵を受けられなかったり、子供の親権を夫婦のどちらか一方しか持てなかったりとデメリットも多いです。
メリットとデメリット、必要な手続きやポイントを理解した上で、自分たちに合った夫婦のスタイルを選びましょうね*