【三々九度(三献の儀)】の正しい意味・由来・作法
三々九度(もしくは三献の儀)とは、神前式や和装人前式の中で行われる儀式のことで、新郎新婦が盃(杯)を交わすことで契りを結ぶ意味があります。さらに詳しい意味や由来、儀式の正しいやり方や美しく見えるコツなどをご紹介♪
挙式2021.5.17 更新2019.9.12 公開
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三々九度の意味と由来
三々九度とは、小・中・大の三つの盃を使用し、新郎新婦が御神酒を酌み交わす儀式のことで、その作法が
一盃(小) 新郎→新婦→新郎
二盃(中) 新婦→新郎→新婦
三盃(大) 新郎→新婦→新郎
の順で行われ、1つの盃で3回お酒をすすめることを1献と言います。
3つの盃で3献ずついただくので合計9献となり、その名がつきました。(この数字については、3/5/7/9といった奇数が縁起のいい数字とされていることに由来しています【陰陽説】)
ただし現在、一般の神前式や人前式で実際に行われている儀式では
一盃(小) 新郎→新婦(→新郎)
二盃(中) 新婦→新郎(→新婦)
三盃(大) 新郎→新婦(→新郎)
の順で省略して行われ、これを「三献の儀」もしくは「誓盃の儀」と称しています。三々九度と称していても、正しい作法で行われているのは稀なので、気になる方は確認を。
また、「同じ釜の飯を食う」という言葉がありますが、これは同じ釜で煮炊きした食物を共食することによって非常に強い絆が生ずるという信仰に由来しており、これと同じ由来で結婚式の神酒を飲むこの儀式が行われるようになり、「夫婦固めの盃」「親族固めの盃」などとも呼ばれています。
新郎新婦だけでなく両家が同じ身内になることによってその繁栄を祈る意味がこめられています。
三々九度で使用する道具「盃・杯の意味」
さきほど、3つの大きさが異なる盃(さかずき)を使用するとお伝えしましたが、一つ一つには下記のような意味が込められています。
一盃(小)・・・ふたりの過去を表し、ご先祖様への感謝の意
二盃(中)・・・ふたりの現在を表し、これから力を合わせ生きていく意
三盃(大)・・・ふたりの未来を表し、一家の安泰と子孫繁栄の意
【三々九度】くわしい実際の流れとやり方
①巫女さんがお銚子から一つの盃に神酒を3回に分けて注ぐ
②3回に分けて神酒を口にする
1・2回目は盃を上げるだけ(飲むふり)、3回目で杯に注がれている神酒を実際に飲むのが一般的。お酒が飲めない方は口を盃につけるだけでOK
③上記手順①②を繰り返す
①と②を小・中・大の盃で行います。二盃目は新郎新婦で始まりが逆になるので注意。
一盃(小) 新郎→新婦→新郎
二盃(中) 新婦→新郎→新婦
三盃(大) 新郎→新婦→新郎
盃の持ち方や綺麗に魅せる注意点《動画付き》
盃の持ち方
作法として、盃は両手で受けとります。
盃の口に親指、盃の下に人差し指と中指で支え、その他の指はしっかりと揃えて添うように持ちます。
盃をしっかりと口元まで持っていく
着物の袖が重く、口元まで盃を持っていくのが意外と大変(汗)ですが、口元を盃に近ずけていってしまうと猫背になり美しくありません。
練習をして、口元までしっかり腕を上げれるようにしましょう。
無理して飲み干さない
ぐいっと神酒を飲み干すように飲むと姿勢が崩れがちですし、強いお酒なので酔っ払ってしまう可能性もあります。
お酒が飲めない(苦手)な方も口をつける程度でOKなので、ここは無理をせずに美しくいただきましょう。